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世界最大のデジタルバンクにも導入されている日本発 API セキュリティベンダー「Authlete」、SBI デジタルアセットホールディングスより資金調達を実施

最新のデジタルアイデンティティおよび API セキュリティ標準の実装を主導する Authlete 社が、SBI グループのデジタルアセット部門と連携し、グローバル展開の加速・新製品の開発・新分野の事業拡大を推進

株式会社 Authlete (本社:東京都千代田区、代表取締役 川崎貴彦、以下「当社」) は、SBI デジタルアセットホールディングス株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役 フェルナンド・ルイス・バスケス・カオ、以下「SBI DAH社」) を引受先とした第三者割当増資により、シリーズ A ラウンド約 5 億円の資金調達を完了したことをお知らせ致します。このたびの調達により、累計調達額は約 9 億円となります。

当社は、今回の資金調達によりグローバル展開の加速と新規プロダクトの開発、そして SBI DAH 社との協業による導入領域の拡大を目指します。

調達の背景と今後の展開

当社が提供する「Authlete」(オースリート)は、セキュアな API 認可とアイデンティティ連携を実現するための 2 つの業界標準「OAuth 2.0(以下、OAuth)」「OpenID Connect (OIDC)」に関するソリューションのパイオニアです。今日、すべてのサービス事業者がビジネスパートナーとの関係強化のために API 提供を必要とする中、「Authlete」はその実現のために必須のコンポーネントとなります。

当社の共同創業者・代表取締役 川崎貴彦のコメント

「Authlete」は、OAuth と OIDC のコア機能を API 部品として提供する “OAuth/OIDC Component as a Service” ソリューションです。この当社独自のアプローチは、金融サービス、E コマース、ヘルスケア、メディア、B2B SaaS 等の様々な分野のお客さまに採用されています。また、世界で初めて Certified FAPI / FAPI-CIBA OpenID Providers の全認定を取得するなど、業界をリードし続けています。今後は日本発・世界初の “OAuth/OIDC Component as a Service” ソリューションとして、製品開発のスピード化とグローバル展開を加速していきます。

注目すべき世界の「金融 API エコシステム」

オープンバンキング/オープンファイナンスは、「金融 API エコシステム」の確立に向けた、世界中で最も注目すべき業界トレンドの 1 つです。「Authlete」は、ブラジルの世界最大のデジタルバンクや、日本初のデジタルバンクなど、金融サービス業界においても多くのお客さまに採用いただいています。

また当社は、米国 OpenID Foundation の「OpenID 認定テストスイート」の開発にも貢献しています。このテストスイートは、銀行の提供する API が適切に実装されているかを検証するためのしくみとして、世界各地のオープンバンキング/オープンファイナンスエコシステムの事実上の標準となっています。言い換えれば「Authlete」は、世界中のオープンバンキング/金融エコシステムにおける、すべての銀行のための実質的なリファレンス実装です。

当社の共同創業者・取締役 アリ・アドナンのコメント

英国や豪州、ブラジルにて本格的に普及が進むオープンバンキングの潮流は、今やサウジアラビア王国(KSA)をはじめとする国々にも、積極的に受け入れられています。当社は、このような新しいエコシステムに対して、 OpenID Foundation との連携による専門知識と、実世界で実証済のソリューションを提供できるベンダーの一社です。当社は、事業をグローバルに拡大する上で完璧なポジションにいると確信しています。このポジションを活かし、「金融 API エコシステム」に積極的な中東を初めとする多くのエリアにおいて、エコシステムの構築に貢献しビジネスを拡充していきます。

SBI DAH 社との協業による新規分野へのビジネス拡大

一部のビジネス領域では、次世代のアイデンティティ/API 標準やフレームワークを必要とする機運が高まっています。たとえばゲームやメタバースの世界では、サイバー空間は今やもうひとつの現実空間となり、そこでのデジタルアイデンティティは、現実世界のエンティティに裏打ちされたものでなくてはなりません。そのため「アイデンティティの保証」は、現在重要なニーズとなっています。

SBI DAH 社 代表取締役 CEO フェルナンド・ルイス・バスケス・カオ氏のコメント

SBI DAH は、デジタルアセット関連のビジネスをグローバルに展開しており、バンキングからメタバース、デジタルウォレットまで、複数の分野には潜在的なビジネスチャンスがあると見ています。Authlete 社は SBI DAH のグループ企業である SBI デジトラスト社と以前から取引関係のあるパートナーであり、わたしたちは Authlete のことを十分に理解しています。今回の出資により、両社のパートナーシップを大幅に拡大し、可能性をフルに拡大することを目指します。なにより、「Authlete」の最先端の技術を活用し、ともに新しい市場を開拓し新たな業界標準を打ち立てることを楽しみにしています。

「Authlete」サービス概要

「Authlete」は、OAuth(API 認可)とOIDC(ID 連携)のコア機能を API 部品として提供する、“OAuth/OIDC Component as a Service” ソリューションです。金融サービスや E コマース、メディア、さらに B2B SaaS など、幅広い分野のお客さまにご活用いただいています。その特長は以下の通りです。

1. API 認可・ID 連携基盤構築をサポートする “コンポーネント” 型のソリューション

「Authlete」は、API 認可・ID 連携機能を API として提供するバックエンドサービスです。サービス事業者は自社サービスに「Authlete」を組み合わせることにより、OAuth / OIDC の複雑な処理に煩わされることなく API 認可・ID 連携サーバーの構築・運用が可能になります。

2. 多種多様なアーキテクチャに組み込み可能

「Authlete」のすべての機能は APIとして利用可能であり、どのようなアーキテクチャにも組み込める柔軟性を有しています。その API を用いて、新たに API 認可・ID 連携サーバーを構築したり、API ゲートウェイの API 認可機能を置き換えたり、既存のサービスに ID 連携機能を埋め込んだりといった、様々な構成を実現可能です。

3. API 認可・ID 連携仕様への業界最速・最多準拠

当社は、OAuth / OIDC に関連する仕様策定から標準化まで一貫してコミットし、世界で最初に “Certified FAPI OpenID Providers” のすべての認定を取得するなど、最新の API 認可・ID 連携仕様の実装において業界を主導しています。「Authlete」を導入いただいたお客様は、仕様策定の動向を気にすることなく、常に規格に沿った最新仕様の機能を享受することが可能になります。

「SBI DAH」について

SBI デジタルアセットホールディングスは、SBI ホールディングスの傘下でデジタルアセット関連事業を統括・運営する会社です。子会社としては、SBI セキュリティ・ソリューションズ、SBI Digital Markets(シンガポール)や、スイス SIX グループとの合弁会社である AsiaNext(シンガポール)等を抱えるほか、主要な投資先として Boerse Stuttgart Digital Exchange、Sygnum、Everspin、Tangem が挙げられます。SBI デジタルアセットホールディングスは、デジタルアセットの発行・管理・流動性の確保を行うバリューチェーンを構築し、金融業界に革新をもたらすことを目的としています。