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FAPI の最新情報についてご紹介しました

2023 年 1 月 10 日 (火) に開催された OpenID BizDay #15 に弊社代表の川崎が登壇し、FAPI の最新情報についてご紹介しました。イベント全体の録画が公開されています (YouTube)。川崎の発表は 2:04:57 からです。

本記事は発表内容の要約です。詳細は公開されている動画をご視聴ください。

FAPI の歴史

FAPI は、Financial API、Financial-grade API、FAPI へと名称を変更していきました。最終的には、何の略称ということではなく、FAPI という名称になりました。

直近では、FAPI 2.0 Security Profile の Second Implementer’s Draft 2 が 45 日間の Public Review 期間を終え、承認投票期間に入っています (アナウンス)。2023 年 1 月中に承認される見込みです。

世界の FAPI

**イギリスのオープンバンキング**が金融業界オープン API 化の先駆けとなりました。CMA (Competition and Markets Authority; 競争・市場庁) が主導する自由競争・市場活性化政策という位置付けです。

オーストラリアの CDR (Consumer Data Right; 消費者データ権) では、オープン API 化をより大きな枠組みで捉え、金融業界だけではなくエネルギー業界などの他の業界にも適用を進めています。

**ブラジルのオープンファイナンス**は、FAPI 採用決定から運用開始までが世界最速でした。アンバンクト (unbanked) な国民、いわゆる銀行口座を持たない国民も、金融サービスを受けられるようになってきました。

ブラジルの金融業界には勢いがあり、現在ではブラジルのヌーバンク社が世界最大のデジタル銀行になっています。ヌーバンク社の FAPI 実装には Authlete が使われています。

アメリカの FDX (Financial Data Exchange; 金融データ交換) が定義する FDX API の利用者数は、2022 年 10 月末の時点で 4200 万人を超えており (PR)、その数は増え続けています。

**サウジアラビアのオープンバンキング**は、新産業創出を主目的としてサウジ中央銀行主導で進められています。

ノルウェーの HelseID (健康 ID) は e-Health 政策の一環で、ヘルスケア関連のサービスを共通 ID で受けられるようになっています。金融業界以外で FAPI が利用されている事例の一つです。

ニュージーランド CDR (Consumer Data Right; 消費者データ権) は、オーストラリアに倣った動きです。2022 年 11 月、ニュージーランド政府はオープンバンキングを導入することを発表しました (PR)。

ドイツでは yes.com 社が主導するyesエコシステムが構築されています。

**ロシアのオープンバンキング**でも FAPI が利用されていますが、暗号アルゴリズムはロシア専用となっています。

日本の FAPI

日本では、国内初のデジタルバンクである**みんなの銀行**が、邦銀で初めて FAPI 認定を取得しました。

2022 年 12 月に開催された Authlete Customer and Partner Meetup 2022 にて、みんなの銀行のシステム開発を担うゼロバンクデザインファクトリー社様が FAPI 認定取得に関するご講演をしてくださいました。講演内容は Authlete 社ウェブサイト上で公開されていますので (金融サービスセッション (Road to Be FAPI Certified))、是非ご参照ください。

OpenID 認定制度

OpenID Certification Program は、仕様に準拠している実装に認定を与える制度です。

認定項目は多数あります。FAPI OpenID Providers に属するものは、サーバー側の FAPI の実装を対象とするものです。FAPI OpenID Providers の全項目で認定を受けている実装は、世界で唯一 Authlete のみです。


本発表についてご興味・ご質問がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。